15)操作盤・電気配線
(産業廃棄物処理施設)
第7条 政令で定める産業廃棄物の処理施設は、次の通り。
三 汚泥の焼却施設であって、処理能力が5ton/日を超えるもの。
五 廃油の焼却施設であって、処理能力が1立米/日を超えるもの。
七 廃プラ類の破砕施設であって、処理能力が5ton/日を超えるもの。
八 廃プラ類の焼却施設であって、処理能力が0.1ton/日を超えるもの。
十二 廃PCB等、PCB汚染物又はPCB処理物の焼却施設。
十三の二 産業廃棄物の焼却施設であって、処理能力が5ton/日を超えるもの。
◎安定型、しゃ断型、管理型処分場(廃掃法の区分)
∇安定型・・・廃プラ、ゴム、金属、ガラス、陶器、コンクリートの破片等腐敗発酵のおそれの無い産業廃棄物の埋立処分場。
∇しゃ断型処分場(隔離型処分場)・・・公共用水域、地下水と遮断されている埋立処分場。燃殻、媒塵、汚泥等の中に有害物質(水銀、シアン等)を含む産業廃棄物の処分場。
∇管理型処分場・・・上記処分場の対象以外の産業廃棄物の処分場。流出防止の堰堤、地下水への汚染防止や水処理を必要としている。
◎大気汚染防止法施行令。
(ばい煙発生施設)
第2条 法第2条第2項の政令で定める施設は、別表第一の中欄に掲げる施設であって、その規模がそれぞれ同表の下欄に該当するものとする。
別表第一(第2条関係)
十三 廃棄物焼却炉 火格子面積が2平米以上であるか、又は焼却能力が1時間当り200㎏以上であること
◎火格子面積 Grate area
固体燃料は火格子又は火床(炉床)と称する台の上で燃焼させるがその面の大きさを火格子面積という。火格子のない炉にあっては炉床の投影面積をとる。
◎騒音規制法
空気圧縮機及び送風機(7.5KW以上)である施設を特定施設として規制している。以下に規制基準(単位 ホン)を示す。
・夜間 午後9時、10時又は11時~翌日午前5時、又は6時
◎振動規制法
圧縮機(7.5KW以上、冷凍機を除く)である施設を特定施設として規
制している。
◎音の大きさ Sound level
音の強さのレベルとしてβ=10log(I/Io)をとってデシベル(dB)と呼ぶ。lは音の進行方向に垂直な単位面積に流れるエネルギーで、Ioは強さのレベルの基準で I=10^-6W/ である。これは1000Hzのときの音の最小可聴限界とほぼ一致する。フォンとホンは異なる単位。
◎音の単位 Noise unit
(1)ホン・・・ホンは指示騒音計で測定した聴感補正ずみの音圧レベル。
(2)フォン(Phon)・・・音の大きさのレベルの単位。数字的には1000Hzの純音では1phonは0.0002μbar(マイクロバール)に相当する音圧のdB値になる。この場合その純音は聴く人の前方から伝わる平面進行波からなり、しかも正常な聴力を持つ人によって等しい音と判断されなければならない。
(3)デシベル(dB)Decibel・・・パワーや音の強さそのほか、着目する物理量をたがいに、又は、ある標準的な基準量と対比して、相対的な比較検討を行うのに用いる無次元単位をデシベルという。音の場合の定義の仕方は、音の強さ、音圧等の絶対値を表す場合の単位として、基準値を規定してしばしば用いられる。騒音レベルの単位には国際的に通用する単位としてdB値が用いられているが、わが国はホン単位が広く流通しているので、ホン又はdBのいずれを用いてもよい。
◎操作盤・電気配線
●操作は出来る限り簡素化する。誘引ファンのインバーターは20~25/60(炉内の掃除時点、炉の停止後灰の熱灼減量を促進するために2~4時間運転)。40~45/60(通常運転)。50~55(炉の焚きはじめ、投入直後、炉の周辺から煙が出た場合の緊急事態)。3段階程度に設定し、ロータリーSWで切り替え出来るようにする。(追記)操作盤及び二次空気のバルブ操作の位置から煙突の先端が見えるように配置する事。出来なければ見えるようにミラーをつける事が焼却炉の運転者への親切である。焼却炉が建屋内、煙突が建屋外の場合は焼却炉の電源ONと同時に働くビデオカメラとモニターを惜しまないことだ。煙は曇った日には見えないから監視側から見るバックには白い建物、白い板等を配置する事が望ましい。
●押し込みファンのインバーターも通常運転時、と緊急時の2段階に設定しておく。
●操作盤のスイッチ類の位置、サーマルのリセット位置、電気に疎い人も何のスイッチか判るように名前を明示する。特にリセット位置を明示することによりサービスの手間を、電話で済ませられるケースが多い。
●操作盤内に簡単な操作マニュアルを貼る。取扱説明書はほとんど見てもらえないと考えた方がよい。
●操作盤の近くに注油、点検項目を目立つように貼る。
●操作盤は投入口から離す。近い場合は保護用の柱を立てる。重機がぶつかって破壊されることがある。
●電気配線は炉体より300㎜は離す。キャスタブルがなくなった場合を想定。キャスタブルが無くなったところは鉄板が赤くなり、輻射熱で電線が焼ける。
●操作盤内の温度が40℃を越えないようにする。換気扇は勿論だが、盤の近く、特に裏側に焼却炉の高温部が来ないようにする。焼却炉の壁から出る遠赤外線等の輻射熱を甘く見ないこと。どうしても必要な場合は裏側に、鏡面となるステンレスを張る(浮かすことを忘れない)。
◎メンテナンス、CO濃度計。
●メンテナンス、掃除を徹底させないと炉の寿命は半減する。その為にメンテナンス用の設備、掃除穴は適所に設ける。
●チェンブロックは焼却炉が燃焼中でも、メンテナンスが出来るようにする。扉が開かれた状態で、熱膨張のためドアがロックする場合や、チェンブロック自身にロックがかかることもある。
●油圧やチェンブロックは非常事態でも、手動で動かせるように予習しておく。
●オイルタンクの水抜きは焼却炉の運転者に義務付けさせる。
●バーナーのメンテナンスは運転者が出来るように教えておく。
●バーナーメンテナンス後の油は完全にふき取る。拭けない場合は水を流す。熱源が近くにあるため、火事になるケースがある。
●焼却炉で一番弱いのはバーナー、失火の原因を全てチェックしておく。電話だけで済ませられるサービスがほとんど。①フレームアイの汚れ、②ポンプの故障、③油の汚れ、④バルブの開き忘れで油が止まる。等。
●ファン、バーナーの異常音は羽にばいじんが溜まって、羽根のバランスが崩れが起こり、放置するとベアリングがダメになる。現場の作業者に通常音を教えておき、羽根についた埃を掃除させる。
●CO濃度計は自動更正だけでなく、手動も学習しておく事。
●CO濃度計の吸い込み口は詰まりやすい。掃除のメンテナンスの方法も確認。
◎警報、安全対策。
●手すりが必要な部分をチェックして、手すりは必ず1100mm以上の高さのものをつける。
●警報のパトライトは事務所から見える位置につける。
●バルブには必ず常時開、常時閉。トグルスイッチには常時ON、常時OFFの札をつける。
●炉内は負圧で燃えているから覗き窓は火を噴かないが、投入後二分間は爆発的に燃えるものが入っているか判らないので、危険であることを徹底しておく。
●停電、もしくは炉の電源が落ちたときの復帰後、真っ先に誘引ファンをONして、最低10秒間回すことを徹底する。炉内の一酸化炭素をぬくため。
●停電時にはバーナーを開く以外何も出来ないことを教えておく。そのままにしておくとバーナーはファンが稼働しないので焼ける。
●大きな地震などでは、炉及び電気系統には一切手を触れず、運転者は炉の高さ以上の位置に避難すること。
これで終わりです